生成AI社内ガイドライン
2025年8月版/作成者:CrosAI 大山)
1. ガイドラインの目的と基本姿勢
このガイドラインは、生成AI(ChatGPTなど)を業務で活用するにあたり、安全かつ効果的に運用するためのルールと考え方を示します。
- 生成AIは業務補助ツールであり、最終判断と責任は人間が担う
- 情報の正確性・倫理性・法令遵守を守ることを前提に活用する
- 誰もが安心して使える職場環境を整える
2. 使用可能な生成AIツール一覧(2025年8月時点)
ツール名 | 主な用途 |
---|---|
ChatGPT | 文書作成、要約、翻訳、企画支援 |
Gemini | 同上 |
Notebook LM | 議事録生成、PDF要約、資料の構造化 |
Perplexity | 情報検索、出典付きリサーチ |
Notion AI | 社内文書、議事録、マニュアル作成 |
3. 活用が推奨される業務領域と利用例
業務領域 | 利用例 |
---|---|
企画・ブレスト | アイデア出し、構成案、ネーミング検討 |
ドキュメント作成 | メール文案、マニュアル、通知文、議事録の下書き |
マーケティング | キャッチコピー、SNS投稿案、販促物の原案作成 |
多言語対応 | 翻訳、外国語案内文(要人間確認) |
会議・記録 | 議事録の要約、ToDo抽出、参加者別まとめ |
4. 禁止事項および注意点
禁止/注意項目 | 理由 |
---|---|
個人情報・顧客データの入力 | 情報漏洩リスクがあり、法令違反にあたる可能性 |
社外秘・未発表の情報の入力 | 機密保持契約違反や営業機密の流出につながる |
出力内容を無確認でそのまま利用 | 誤情報(ハルシネーション)が含まれるリスクがある |
AI生成物であることを伏せた社外公開 | 消費者・取引先への誤解や信頼性の低下を招く |
医療・法務・雇用判断等、専門性の高い領域での使用 | 人命や契約にかかわる判断は人間が行うべきであり、AIには不適切 |
5. 活用プロセスとチェックフロー
- 利用目的を明確にする(業務上の必要性・範囲)
- 入力データを確認(個人情報・機密情報を含まないか)
- AIツールで出力を生成
- 出力内容を人が確認・修正(事実確認・表現・誤解リスクの排除)
- 社外利用時は「AI生成物」である旨を明示
6. 社内体制と運用ルールの整備
- AI利活用の責任者または担当者を明確化
- 使用可能ツール一覧を作成し、社内で共有・定期更新
- 研修・OJTによるAIリテラシーの底上げ
- 成果物や成功事例・注意事例のナレッジ共有ルールを整備
7. トラブル回避のためのチェックリスト
- 入力に個人情報・機密情報が含まれていないか
- 出力に誤情報・偏見・差別表現が含まれていないか
- 著作権や商標の侵害がないか(画像・文章ともに)
- 「AI生成物」である旨の明記があるか(社外公開時)
- 最終的に人が確認・責任を持って活用しているか
8. よくある質問(FAQ)
- AIの出力に誤りがあった場合、誰が責任を取るのですか?
→ 最終的に使用・公開した本人またはチームが責任を負います。確認・修正は必須です。
- 自分の会社でどのAIツールを使っていいかわかりません。
→ 社内で許可されたツールを使用してください。独断利用は避けましょう。
- AI導入は何から始めればよいですか?
→ 議事録作成やメール文案などの軽微な業務から始め、小さく試してルールを整備しながら拡大するのが安全です。
- 機密情報をうっかり入力してしまった場合の対応は?
→ 速やかに上長・情報管理部門に報告し、ログ確認・再発防止策を講じてください。
- AIの回答が偏っていたり不自然だと感じたときは?
→ 中立性・正確性の観点で再確認し、人間の手で必要な再構成を行ってください。
- 複数のAIツールを併用してもよいですか?
→ 目的に応じて併用可能です。ただしツールごとの強み・制限を把握し、適材適所で使用することが重要です。
- 翻訳機能を活用したいが、精度は信頼できますか?
→ 自動翻訳は便利ですが、トーンや意味が変わることがあります。特に公式文書では人の確認が必要です。
- このガイドラインは今後も見直されますか?
→ はい。原則として年1回以上の見直しを行い、技術進展や法改正にも柔軟に対応していきます。
9.商用利用に関して(FAQ)
【A. 文章に関する商用利用】
- AIで生成した文章をチラシ・メール・Webサイトに使っても大丈夫?
→ 原則として使用可能ですが、最終確認と修正を人が行うことが前提です。誤情報や不適切な表現のリスクがあります。
- ChatGPTなどで作成した文書の著作権はどうなっている?
→ OpenAIによれば、ChatGPTで生成された文章は商用利用可能です。ただし、他者の著作物に酷似した内容を出力することがあるため、出力内容に対する責任は利用者側にあります。
- AI文章の「出典」や「生成ツールの明記」は必要?
→ 社内資料であれば明記不要ですが、社外向け資料では「AI生成物」であることを明示するのが望ましいです。透明性の観点から推奨されます。
- AIの文章をそのまま本やパンフレットに載せていい?
→ 問題はありませんが、「誤解を生む表現」や「不自然な日本語」が混じることがあります。必ず人の目で調整してください。
【B. 画像に関する商用利用】
- AIで作った画像をチラシや商品POPに使っても大丈夫?
→ 多くのツールでは商用利用が許可されていますが、利用規約によっては制限がある場合もあるため注意が必要です。
→ChatGPTで生成した画像に関しては基本的に商用利用が可能となっています。ただし、特定のキャラクターなどを連想される生成物に関しては注意してください。
- 著作権に触れるリスクはない?
→ AI画像の中には、既存の有名キャラクターや企業ロゴに類似するものが生成されることがあります。こうした画像は使用しないようにしてください。
- 商標登録されたようなもの(例:キャラクター、ブランド風デザイン)は使える?
→ 使えません。AIが類似した画像を出力した場合でも、それを使用すると著作権・商標権の侵害に該当する可能性があります。
- AIで生成した画像に「AI生成」と明記する必要はある?
→ 明記義務は法律上ありませんが、透明性や企業の信頼性を保つ観点から「AI生成」表記を推奨します。
9. ガイドラインの更新と今後の運用
- 技術進展・法制度の変化・新ツール登場に応じて、原則「年1回以上」の見直しを実施
- 活用事例・失敗事例・トラブル事例を収集し、定期的に社内共有
- 初期導入は「限定業務」「限定部署」で開始し、段階的に拡大